とっとり市報 HTML版
2023.1 No.1149

特集 2023新春座談会 鳥取市の未来を担う若者座談会
若い力で鳥取市を元気に!

今回の新春座談会は、鳥取市内の中学校・高校・大学に通いながら、さまざまな分野で活躍する学生のみなさんをゲストに迎え、自身の活動や若い力が輝くまちづくりなどについて、深澤市長と語り合いました。

司会:網田 美弥(あみたみや)

問い合わせ本庁舎広報室(33番窓口) TEL0857-30-8008FAX0857-20-3046

新春座談会ゲストのみなさん

近影

清水 愛結(しみずあゆ)さん

鳥取大学2年生。駄菓子販売を通じて多世代間の交流促進をめざす「ばばのばプロジェクト」代表。昨年12月、NPO法人ふふやと協働して、若桜街道商店街に「COCON(ココン)」を開く。

近影

石畑 晴一朗(こくはたせいいちろう)さん

鳥取城北高校3年生。「SEI(せい)」という名前で動物の絵などを描く。鳥取のまちをアートで元気にしたいという思いから、イベントや展示会などで活動している。

近影

小谷 峻一(こだにたかいち)さん

鳥取西高校2年生。鳥取を元気にすることをめざし、SNSや動画で鳥取の魅力を発信する高校生グループ「7-R(セブンアール)」代表。中高生向けの観光冊子も制作。

近影

河上 史佳(かわかみふみか)さん

鳥取城北高校1年生。スポーツクライミングの「スピード」種目2022日本代表選手。昨年3月のスピードジャパンカップで優勝し、高校に通いながら世界を舞台に活躍している。

近影

森田 笑(もりたにこ)さん

青翔開智中学校1年生。小学生の時に、海で拾ったプラスチックごみでアクセサリーを作る「NICO Claft(ニコクラフト)」を父と設立。県内外でのワークショップで環境保護の大切さを伝える。

自身の活動について

写真

清水

駄菓子の販売を通して地域の子どもから高齢者まで、幅広い年代の人が交流できるきっかけの場を作りたいと思い、「ばばのばプロジェクト」を始めました。昨年12月には、新たに「COCON(ココン)」をオープンし、商店街の活性化や地域住民の居場所づくりに取り組んでいます。

高校を卒業してからいろいろな人に助けていただき、さまざまな経験をすることができたと思っていて、その経験を活かして鳥取の人への恩返しの気持ちで活動しています。

小谷

新型コロナウイルスで鳥取のまちが活気を失いはじめた2020年に、鳥取を活性化させたいという思いから7-R(セブンアール)は結成されました。当初のメンバーは、鳥取西高校の生徒だけだったんですが、今では倉吉東高校、米子東高校など、県内各地の高校生と一緒に活動しています。

活動は主に、撮影した写真や動画をインスタグラムやユーチューブなどのSNSに投稿しています。鳥取に来られない人にも、鳥取の魅力を伝えることができる、コロナ禍にぴったりな手段だと思い、SNS を活用しています。

網田

お二人とも若い力を活かして鳥取を盛り上げたり、鳥取の魅力を発信したりされていますね。

清水

COCONは「ほっとできる空間」をコンセプトにしていて、年齢は関係なく、さまざまな人が集い、そこで話をしたり交流することでほっとできる空間をめざしています。

市長

地元のみなさんに恩返しをしたいという気持ちを持って活動されているということで、とてもうれしく思います。また、世代間のつながりを大切にされていることもとてもいいですね。

写真

小谷

SNSを活用した活動以外にも、中高校生向けの観光冊子Toricollemap(トリコレマップ)を制作しました。自分たちで取材に出向き、観光名所やおすすめのお店など、高校生目線で楽しめる情報を掲載しています。

市長

本市には私たちが気づいていない魅力がまだたくさんあります。これからも魅力の発信を続けてもらい、ご自身でも鳥取市の魅力を発見していただきたいです。また、高校生のみなさんのつながりの輪が広がっているのも素晴らしいですね。

写真

森田

小学5年生の時に、授業で海洋プラスチックごみが海の生き物におよぼす影響を学んで、自分にも何かできないかと考えました。小さい頃から好きだったハンドメイドと、海で拾ったプラスチックごみを組み合わせて、アクセサリーづくりを始めました。海洋ごみのことやSDGsについて多くの人に知ってほしいと思い、県内外でワークショップを開いています。

網田

実は、ばばのばプロジェクトで森田さんがワークショップをされたことがあるんですよね。

清水

森田さんの笑顔と、参加者がとても楽しそうにしているのが印象的でした。自分の活動にも通じる、とてもいいイベントでした。

市長

昨年4月には、生態系に深刻な影響をおよぼすプラスチックごみを資源として循環させるプラスチック新法が施行されました。森田さんの活動はまさにこの考え方に通じる取り組みですね。

写真

森田

最近は、海洋ごみにプラスチックのスプーンが多いことに気づき、鳥取県産の米粉を使って、食べられるスプーンやフォークを開発する取り組みを始めました。

市長

地元の農産物を活用して、ごみを出さず環境に負荷を与えない。地産地消とごみを減らすという二つの目的を両立する取り組みですね。

写真

石畑

小さい頃から絵を描くのが好きで、虫の絵などを描いていました。今は動物の絵などを中心に描いています。

高校では、地域活動に参加するアントレプレナー部という部活に入っています。顧問の先生に誘われて、山陰三ッ星マーケットで作品を販売したのが活動のきっかけです。それまで自分の絵を見てもらう機会が少なかったんですが、おととし、市内のギャラリーで開催した個展では、多くのみなさんに自分の作品を見てもらい、いい機会になりました。

網田

個展では、60点以上の作品を準備されていたそうですが、作品は完売したんですよね。

市長

作品が完売したということにもびっくりしましたし、作品もユーモラスでほっとする絵ばかりですね。

写真

河上

私は、スポーツクライミングの「スピード」種目の選手として国内外の大会に出場しています。昨年高校生になったので、海外でのワールドカップやアジア選手権などに参加できるようになりました。海外で大会があると連戦や時差で大変ですが、鳥取市に帰ってくると安心し、ほっとした気持ちになります。

市長

地元のスポーツ選手が世界を舞台に活躍されるということはとても誇らしいですし、市民に元気や勇気を与えてくれる存在です。これからもさらなる高みに向けて頑張っていただきたいです。

鳥取市を元気にするには

写真

小谷

自分の住んでいる地域以外のことをあまり知らない若い人が多いと感じています。そんな人たちに向けて、若い目線で鳥取市の魅力を届ける手段が増えたらいいと思います。

写真

河上

練習で市外の施設に通っているんですが、身近な場所に練習場ができるといいと思います。移動時間や交通費のことがあり、車の運転ができない学生のために公共交通機関が便利になるとうれしいです。今年4月から100円バスくる梨でICカードが使えるようになりますが、駅でも使えたら便利だと思います。

清水

私は、今の活動ができているのは、いろいろな人とのご縁があってこそだと思っているので、人との関わりやつながりが大切だなと思っています。鳥取市はつながりが作りやすい地域だと思うんですが、学生や若い人が地域とつながる機会が少ないと思います。人材不足や担い手不足に学生自身が取り組める体制ができれば、さらにやりたいことに挑戦できるまちになると思います。

写真

森田

私も人とのつながりが大切だと思っていて、自分の活動を続けている中でいろいろな人と関わるようになりました。この場のみなさんとも、つながりの輪が広がっていくといいなと思います。

石畑

鳥取市はあまり人が多くない分、ひとりひとりのつながりが生まれやすいと思っています。絵を見てくれたり、購入してくれた人に直接感想をもらうとうれしいです。アート作品を通じて人と人とがつながっていくので、鳥取市がアートであふれるまちになったらいいなと思います。

市長

これからの社会では、人々が関わったりつながったりして、輪を広げていくことが大切です。若い世代のみなさんが、同じことを感じながら活動をしていることが改めてわかりました。いろいろなつながりを大切にすることで、このまちがさらに豊かに、いつまでも暮らしたいまちになっていくと改めて思います。

今後の抱負や将来の夢

森田

自分の活動を通して、SDGsを学び、世界には病気やけがをしても満足に治療が受けられなかったり、病院に行けない子どもたちがいることを知りました。将来は、SDGsに関わりながら看護師になって、子どもたちのために働きたいです。

河上

昨年8月の足首のけがで、今はリハビリとトレーニングを頑張っています。今シーズンは、公式戦で7秒台を安定して出すことと、日本記録である7.5秒を更新することを目標にしています。みなさんに元気が届けられるよう頑張りたいです。

写真

石畑

春から県外の芸術大学に入学するんですが、県外でも自分の活動を続けながら、新生活を楽しみたいです。将来は、人の心を明るくするデザイナーになりたいと思っています。

小谷

今年は受験生になるので、勉強と7ーR の活動の両立を頑張りたいです。また、まだ気づいていない鳥取の魅力に自分自身が気づき、若者が鳥取に愛着を感じられるよう、魅力の発信に力を入れたいです。

写真

清水

私は、昨年オープンしたCOCON を軌道に乗せることが目標です。また、これまで私がたくさんの人に支えていただいたように、今度は私自身が後輩たちを支えることができる存在になりたいと思います。

市長

みなさんから日々の活動、将来の目標について伺うことができました。コロナ禍で将来が見えない不安や閉塞感がある中、みなさんは活動を通じて明るい未来を思い描いていることに勇気や活力、元気をいただいたように思っています。将来を見据えて、鳥取市のいいところ、魅力を最大限活かし、明るい鳥取市が見えてくるような年にしていきたいと改めて感じました。ありがとうございました。

※座談会の内容は要約しています

座談会の模様は、いなばぴょんぴょんネット(12ch)で放送します。

日時:
1月1日(日・祝)~3日(火)9:00~、12:00~、18:00~ほか