特集
2024 新春座談会
「観光で鳥取市を元気に」
新年あけましておめでとうございます。
今回は、観光事業に携わり活躍する4人をゲストに迎え、アフターコロナ時代の新たな観光戦略をテーマに市長と語っていただきました。
問い合わせ先|本庁舎広報室(33番窓口)
0857-30-8008 0857-20-3040
市谷 沙織(いちたに さおり)さん
一般社団法人麒麟のまち観光局係長
県・市連携ウェブサイトの構築やSNSを利用した情報発信、周遊促進事業を担う。食に関するコンサルティングにも携わる。
山田 雄作(やまだ ゆうさく)さん
ヤマタホールディングス株式会社代表取締役
建築業、不動産業をはじめカフェ運営やインテリア販売など幅広く事業を展開。砂丘西側グランピング施設やキャンプ場を手がける。
渡邉 志保(わたなべ しほ)さん
道の駅清流茶屋かわはら駅長補佐
神話のミステリーツアーを手がけるほか、地域の人を講師に陶芸体験や雑貨作りを楽しむ「ゆるゆる田舎塾」、道の駅「グラスマーケット」などに携わる。
坂根 達哉(さかね たつや)さん
仁風閣・宝扇庵
館長
鳥取城の御城印配布、敷地内庭園でのグランピングやマルシェイベント開催など、文化財仁風閣の周知と魅力発信に取り組む。
活動や思いについて
「地域に根差した地域が稼ぐ仕組みづくり」をテーマに、観光戦略の策定、販売プラットフォームの統一、情報発信の一元化などに取り組んでいます。昨年、砂丘エリアに特化した観光サイトを開設し、コンテンツを増やして、砂丘エリアでどんな体験ができるのか探しやすい環境づくりを目指しています。また、10月に麒麟のまち圏域のファンクラブ組織「このへん共和国」を立ち上げました。多くの人にファンとして登録いただき、趣味趣向、属性、求めているものの情報を集めることで、的確なコンテンツ作成、情報発信に役立てていきたいです。2025年の万博に合わせインバウンドの誘客にも力を入れていきたいと考えています。
市長
山田
「鳥取で一番、鳥取の人々を幸せにする」というビジョンのもと、鳥取市をより良くするにはどうするべきか考えています。キャンプ・グランピング施設の運営により地域に貢献できると考え、運営事業者に応募しました。施設の運営は、ゲストハウス、キャンプ場、グランピング場の3つを一体的に行います。ゲストハウスはキャンプ用品などを購入またはレンタルする売店があり、また、低価格の宿泊施設となっています。また、名称の「ヤマタ鳥取砂丘ステイション」は、ステイ(滞在)とステーション(拠点)をかけています。この施設に滞在し、市内の他のアクティビティも楽しんでいただけるような拠点として、全国に良さを広めたいです。
市長
昨年、砂丘西側に新しくフィールドハウスが設置されたことで、東側のビジターセンターと連携し、より砂丘周辺を楽しんでいただける体制ができました。西側エリアへは高級リゾートホテルの進出が決定しています。さらに西側エリアの魅力の高まりが期待されます。国内外に鳥取砂丘の魅力を大いに発信していきたいです。
坂根
仁風閣は鳥取城跡内の観光地として魅力的な施設ですが、さらに市民に愛され、立ち寄ってもらいたいと思い、庭園や建物を活用したイベントを積極的に行っています。例えば、麒麟のまち観光局と連携したグランピングイベントや、庭園を活用した乗馬体験、庭園、館内を活用した音楽コンサート、城跡ライトアップと連携したマルシェ
市長
文化財は保全が第一ですが、今の時代は魅力の発信、活用も求められます。仁風閣は文化財として価値が高く、日本の明治期の洋風建築を代表する建物です。市としても保存修復をしっかり行い、多くの人にお越しいただけるよう、観光振興への活用に取り組みたいです。
渡邉
市長
道の駅は大きく分けて、観光客を呼び込んで活動する「ゲートウェイ型」と、地域の人と活動し元気の拠点となる「地域センター型」があります。道の駅かわはらは両方の機能を併せ持っていると感じます。
大切なのは人とのつながり
渡邉
人とのつながりや出会いが大切です。観光において、地域資源はもちろんですが、そこに関わる人の存在が欠かせません。道の駅でのイベントや情報発信などをきっかけに、人と人のつながりを広げ、地域を元気にしていきたいです。
坂根
宿泊業、観光業に携わった経験の中でよく言われるのが、観光において最終的に大事なのは人だということです。人と人とのつながりから、おもてなしやお出迎えの気持ちが生まれ、観光地としての魅力が出てきます。それが伝われば、観光客が自然と立ち寄ってくれる鳥取市になると思います。
山田
ゲストハウスは、砂の縁と書いて「さえん」と読みます。地域の人同士、または観光客とつながり縁ができる。そういう施設にしたいと思い名付けました。人と人とのつながりを活性化させ、魅力を高めていきたいです。
市谷
一言で観光といっても協議会、観光施設、観光協会など多くの人が関わります。横の連携を深めることで相乗効果が生まれ、効率的に情報発信ができるのではないかと考えています。そうした横の連携をリードしていけるような組織になりたいです。
インバウンド誘客数を増やすには?
大阪や京都などメジャーな観光地を目指してきた人に、もう少し足を延ばしたら鳥取市のように魅力溢れるエリアがあるんだよということを、いかに上手に伝えられるかが鍵になると思います。
山田
インバウンド客の楽しみの一つはその地域独特の「食」です。鳥取市ならではの食材を施設でふるまい、もてなすことで、より鳥取を気に入っていただき、その情報が広がっていけばと思います。
坂根
仁風閣は鳥取城の御城印販売、日本百名城スタンプの押印場所です。それらを求める海外の人が驚くほど多く、想像する以上に、日本の文化を求めている人が増えていると感じています。
※画像はイメージです。
渡邉
御朱印もですが、着物、日本酒なども世界で注目のコンテンツです。そうした日本の伝統文化に通じるような切り口からの提案は、インバウンド客の誘致にとって非常に有効です。道の駅かわはらとしてもみなさんと連携し、うまく情報発信をしていきたいです。
市谷
人によって心に響くコンテンツは様々です。観光DXの事業を生かし、様々なコンテンツを作成し、その届け方を探りながら、インバウンド誘客につなげていきたいです。
市長
鳥取市にも国内外からたくさんの観光客が来られています。近年は、観光客がSNSなどを通して自ら情報を集め、行き先を決める傾向にあります。さらにみなさんや関係機関と横の連携を図りながら、効率的、効果的に鳥取市の魅力を発信し、観光環境の上質化、高付加価値化に取り組んでいきたいです。
今年の抱負
観光DX事業をさらに推進できるよう、様々な角度でアプローチしたいです。インバウンドに関して、交通のチケット、体験コンテンツ、観光施設をパッケージ化した商品を昨年から用意しています。今は鳥取市のみですが、これからはエリア拡大や、DXに対応したテーマごとのラインナップをそろえるなど、多くの需要に応えられる観光地づくりをしていきたいです。
山田
まずは4月にヤマタ鳥取砂丘ステイションをオープンさせ、地域の人はもちろん、観光客にも愛され多くの人に訪れていただける施設をしっかりと作り上げていきたいです。
渡邉
観光には地域の隠れた魅力の発掘や、資源価値の再認識が不可欠で、それには地域の未来を担う次世代の育成なり、志を同じくする人々のつながりが重要です。そうした人と力を合わせ、思いを形にしていく機会の創出と情報収集を特に行っていきたいです。
坂根
仁風閣は文化財保存修理のため約5年間の休館中ですが、3月下旬に仮ガイダンス施設のオープンを予定しています。仁風閣、城跡の魅力を発信しながら市民、あるいは観光客がこぞって集えるような場所にしたいと思います。
市長
本市の観光の可能性を改めて認識しました。これから本市の魅力をさらに発信して、多くのみなさんにお越しいただき、通過型ではなく滞在型の観光地としてシフトしていけるように、みなさんと力を合わせ、取り組んでいきたい。今年は大きな転機になる年と期待しています。
※座談会の内容は要約しています
司会
田中奏子(たなか かなこ)さん
座談会の模様は、いなばぴょんぴょんネット(12ch)で放送します。
日時:1月1日(月・祝)、2日(火)
6:00〜、9:00〜、12:00〜ほか
3日(水)〜6日(土)
6:00〜、14:00〜ほか
鳥取まちゼミ2023
※詳しくはチラシ・Facebookをご覧ください
0857 -22 -8315(第2火・第1〜4水休み)
10月28日(土)〜11月26日(日)の期間は「フクシ×アートWEEKs 2023」も開催。アート作品をまちなかに展示します。アートを感じながら、まちあるきをお楽しみください。