鳥取城中ノ御門渡櫓門の復元について更新日:
全面開通!鳥取城大手門「中ノ御門」
令和3年(2021)8月より復元工事に着手していた中ノ御門渡櫓門が令和7年(2025)3月に竣工を迎え、鳥取城の大手門にあたる「中ノ御門」全域が完成したことから4月26日に開門式を執り行いました。開門式以降、中ノ御門は常時通り抜けいただけます。
「中ノ御門」は、枡形虎口に高麗門と櫓門を備える近世城郭ならではの配置を基本としつつも、広くひらいた虎口いっぱいに表門を構え、石垣上に配した土塀を表門の棟高くまで築き上げるなどの独特な門構えをしてるほか、渡櫓門においては屋根に切妻造を用いるなどの特徴が見られます。
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鳥取城中ノ御門渡櫓門とは?
表門と渡櫓門で構成される「中ノ御門」は、江戸時代、鳥取藩32万石の居城であった鳥取城の大手門として、元和7年(1621)に藩主池田光政によって創建されました。享保5年(1720)の大火で城内のほとんどの建物が焼失するも、表門は同年中に、渡櫓門は享保9年(1724)に再建されることから、鳥取城のなかでも重要な区画であったことがわかります。
鳥取城は、廃城令においても軍事的利用価値が認められ存城となりますが、明治12年(1879)にその役目を終えるに際して、城内の象徴的な櫓群は順次撤去されていきました。このうち「中ノ御門」は、明治8年(1875)に解体撤去されました。
このたび復元した中ノ御門渡櫓門は、明治初期に撮影された古写真より切妻屋根であることが明らかとなっているほか、発掘調査では礎石控柱の上に台形状の切石礎石を二重に備えるなど、城内の他の櫓門とは異なる様相を見せます。表門、渡櫓門と枡形虎口いっぱいに築かれた城門を連続して配する個性的かつ独特な大手構えが、鳥取藩の威厳を引き立てます。(復元CG提供:戸田建設株式会社)
1,500人が来場‼ 史跡鳥取城跡「中ノ御門」完成記念 開門式 (2025.4.26開催)
令和7年4月26日(土)に、鳥取城の大手門にあたる「中ノ御門」全体の完成をお披露目する「開門式」を行いました。当日は、市長による「開門号令」の掛け声を皮切りに時代行列がはじまり、中ノ御門の「くぐり初め」が行われました。
また、開門記念イベントとして、マルシェや今回の復元工事に用いられた伝統技術の体験イベント、城内を馬に乗ってめぐるツアーも開催され、多くの来場者で賑わいました。
国指定史跡 鳥取城跡中ノ御門完成記念 開門式 式典パンフレット(PDF/3MB)
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中ノ御門「渡櫓門」の見どころ
このたび復元した中ノ御門「渡櫓門」は、鳥取城復元事業としては初の室内空間を持った本格的な城郭建築の復元になります。伝統技術を駆使するだけではなく、専門家による時代考証・技術指導を重ね、材料の加工方法や仕上がり具合など、細部に至るまで江戸時代の城郭建築の再現に挑みました。
◆規模◆
渡櫓門:木造2階建 全高9.2m、全幅10.6m
◆木材◆
ケヤキ(1階)、ヒノキ(2階)、マツ(床梁、小屋梁)
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中ノ御門渡櫓門【外観】 | 中ノ御門渡櫓門【内観】 | 手斧(ちょうな)掛け作業 | 手斧のあて方に注目 | 槌目(つちめ)打ち作業 | 槌目仕上げの錺金物 |
進む!鳥取城跡の復元整備事業
鳥取城は、江戸時代には全国約300藩あるなかで上位12番目の規模を誇る鳥取藩32万石の居城でした。かつて大藩であった鳥取城の姿をわかりやすく後世に伝えるため、鳥取市は平成17年度(2005)に整備基本計画を策定し、現在、整備第一段階である大手登城路の復元整備を行っています。
平成30年度(2018)に擬宝珠橋、令和2年度(2021)に表門を復元し、このたび渡櫓門が竣工したことで「中ノ御門」全域が完成しました。令和7年度(2025)より、鳥取城の天守に位置付けられていた「二ノ丸三階櫓」の復元に向けた調査事業に着手します。
鳥取城跡中ノ御門の地図
鳥取城跡中ノ御門
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