とっとり市報 HTML版
2022.2 No.1138

【特集】みんなで守ろう!暮らしを支える地域公共交通~住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために~

私たちの暮らしを支える地域公共交通は年々利用者が減少し、事業者が事業を縮小せざるを得ない状況が続いています。誰もが地域公共交通を必要とするときに利用できる環境を守るために、私たち一人一人の問題として考えてみませんか?

本庁舎交通政策課(54番窓口) TEL0857-30-8326 FAX0857-20-3953

地域公共交通の現状


路線を維持するためにも
積極的な利用を

鉄道や路線バス、タクシーなどの地域公共交通の利用者数は、人口減少や、自家用車を中心としたライフスタイルの拡大により減少傾向が続き、その維持・確保が困難な状況となっています。さらに、下のグラフが表すように路線バスの経営は、令和2年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け利用者数が大幅に減少し、危機的な状況です。また、全国的にもバスやタクシー事業者の倒産や事業縮小が続いています。

本市では、危機的な経営状況に陥った交通事業者に対して、新型コロナウイルス感染症に関連する国の臨時交付金などを活用し、事業存続を図るためのさまざまな緊急支援対策を講じています。

地域公共交通の存続はみんなの課題です

地域公共交通を必要とする人は、車を運転しない高齢者や学生といった「交通弱者」が中心となります。しかし、日常的に車で移動する人でも、ビジネスや観光で地域公共交通を利用する場面もあるのではないでしょうか。また、将来、高齢となり車を運転することができなくなったとき、バスやタクシーが無くなっていたとしたら、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるでしょうか。

地域公共交通の維持・確保は、高齢者や学生などの交通弱者や、観光客などの移動手段として、医療・福祉、教育、観光、商業、環境などさまざまな分野の発展のために重要であり、地域社会の活力の向上につながります。

地域公共交通の存続は、「交通弱者」だけでなく、みんなの共通の課題です。

グラフ
路線バス利用者数(県東部地区)と路線バス維持対策補助金の推移
写真:第3 回とっとり交通フェスタ(令和3年11月28日)の様子

一人一人ができること

鉄道やバスなどの本市の地域公共交通は、大都市圏と比べれば便数は少なく、駅やバス停まで距離があるなど、利便性は決して高くはありません。

車での移動は大変便利ですが、その便利さや手軽さを少し我慢してでも、地域公共交通を守っていくという意識を持つことが重要です。

地域公共交通を守る最善策は、一人一人が日頃から地域公共交通を意識し、利用の機会を増やしていくことです。地域公共交通を利用できる場面では積極的に利用しましょう。

地域公共交通を守る取り組み

(1)交通体系の再編


令和3年10月1日に運行開始した佐治町の共助交通

本市は、交通事業者に対する財政支援と合わせて、バス路線の再編やバス運賃相当で利用できる乗合タクシー、市有償バスなど、利用者のニーズに応じた交通網の再編に取り組んでいます。

一方で、運転手の高齢化や人材不足が深刻化し、交通事業者や行政だけでは、地域公共交通を維持していくことが困難な地域もあります。こうした地域においては、NPOやまちづくり協議会が運行主体となる「共助交通」を推進しています。

(2)利用促進の対策

ノルデカード

毎週金曜日に路線バス運賃が半額になる「ノルデ運動」参加者募集中!詳しくは、本市公式ホームページでご確認ください。

高齢者や運転免許返納者、学生などが、安心してバスや鉄道を利用できるようにバス定期券の購入費や通学費の助成を行っています(インフォメーションページに「高校生等通学費助成」について掲載しています)。

また、生活交通のあり方を検討する住民会議や、「とっとり交通フェスタ」、ノーマイカー通勤運動「ノルデ運動」などの取り組みを通じて、地域公共交通の大切さ、利用促進の重要性についての意識の醸成に努めています。

コロナ禍収束後も

コロナ禍における新たな生活様式の定着により、コロナ禍が収束しても利用者数の回復は容易なことではありません。そのため、地域公共交通を取り巻く環境は厳しい状況が続くことが予測されます。本市は今後も引き続き、地域公共交通の維持・確保に向けた取り組みを進めていきます。

自動運転バス実現へ!最先端の自動運転技術を活用し、地域公共交通の維持・確保を目指します。

本市は新たな取り組みとして、運転手の高齢化や人材不足が深刻化する中でも、地域公共交通を維持・確保していくため、人工衛星測位システムや、障害物検知システムなどの最先端技術を活用した自動運転での輸送サービス「自動運転バス」の実現を目指しています。

実現に向けて推進体制を整備

自動運転の取り組みを推進するため令和3年10月、「鳥取市次世代モビリティ推進会議」を発足しました。本会議は、交通事業者や、自動運転の関係法令を所管する行政機関、地域交通の専門家、観光団体などで構成され、自動運転の調査・研究、令和7年度の本格運行をめざした実証運行の計画策定などを行います。

自動運転バス車両ARMA(アルマ)に乗ってみませんか?試乗モニターを募集します!


運転手のみなさん
                       
■実施期間:2月17日(木)~ 3月6日(日)
※天候などの都合により中止する場合があります
■運行ルート:鳥取砂丘会館~チュウブ鳥取砂丘こどもの国
■走行距離:約4km(往復)
■走行時間:約20分
■定員:160人(先着順)
実証運行の詳細、申込はこちらから ▶QRコード
新型コロナウイルスの感染状況によっては、試乗モニターを中止! する場合があります。

ご理解とご協力をお願いします

実証運行は、関係法令などに基づき低速(時速約19km)で走行します。安全確保を最優先に運行を行いますので、ルート付近を通行するみなさんや周辺にお住まいのみなさんにはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。