とっとり市報 HTML版
2022.2 No.1138

【特集】鳥取市立病院手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入!

市立病院で今月から稼働を開始する手術支援ロボット「ダヴィンチ」は、従来の方法では難しかった繊細な手術の実現と、患者の身体の負担軽減を可能にします。ダヴィンチの特徴や病院の取り組みをご紹介します。

問い合わせ先市立病院(代表) TEL0857-37-1522 FAX0857-37-1553

「ダヴィンチ」の特徴と導入のメリットとは?

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手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術は、ロボット手術指導医の資格を持った執刀医が、操縦席(サージョンコンソール)から遠隔で、ダヴィンチの4本のアームについている専用カメラや鉗子(かんし)を操作して行います。

最先端技術を駆使したダヴィンチでの手術には、次のような特徴とメリットがあります。

■小さな傷口

手術は、患者の体に小さな穴を開けて行います。出血や痛みも少なく、早期回復が見込まれます。

■繊細な動き

ロボットのアームは人間の手より可動域が広く、手ぶれが補正されるため、より複雑で繊細な動きを要する手術が可能になります。

■鮮明な画像

3Dフルハイビジョン画像を、およそ10倍に拡大できるカメラが装備されています。このカメラが映し出す鮮明な立体拡大画像を見ながら、正確な手術を行うことができます。

どんな手術に使用するの?

ダヴィンチは、まず泌尿器科の前立腺がんの手術に使用します。その後、腎臓がん、骨盤臓器脱の手術にも使用していく予定です。

※ ダヴィンチを用いた手術が可能かは、患者の病態などにより医師の判断が必要です。まずは診察が必要ですので、市立病院泌尿器科外来でご相談ください。

治療環境がさらに充実!

市立病院泌尿器科では、県東部の基幹病院としてすべての泌尿器科疾患を扱っています。診療は医師4人体制で、そのうち1人はロボット手術の執刀経験があります。また他の医師を指導することができるロボット手術指導医の資格を有しています。

なかでも、腎結石・尿管結石に対しては、ホルミウムレーザーを用いた経尿道的尿路結石砕石術と県東部では市立病院だけが導入している体外衝撃波結石破砕装置を用いた結石砕石術を積極的に行っており、県内随一の手術実績があります。今回、ダヴィンチが加わることで、更に充実した治療環境となりました。

※ 昨年より毎週金曜午後、女性泌尿器科外来を開設しています。お気軽に受診ください。

地域に根ざした病院づくり

市立病院では毎年夏休みに高校生を対象とした医療体験会を行っています。また、引き続き市民医療講演会や地域での講演会などへの職員派遣、小学生を対象とした病院まつり、中学生の職場体験などを行い〝地域に根ざした病院づくり〟を進めています。

泌尿器科平田部長(ロボット手術指導医:左)と笹岡医長(右)
市民医療講演会は現在、ケーブルテレビや、動画共有サービスで配信しています。
QRコード◀ YouTube チャンネル「鳥取市立病院」

高校生医療体験会でダヴィンチの操作などを体験!

昨年12月26日、ダヴィンチ導入イベントとして高校生医療体験会を開催し、将来医療職を志す、16人の高校生が参加しました。

参加した高校生は各班に分かれ、医師、臨床工学技士、看護師の指導のもと、手術室内で導入したばかりのダヴィンチを操作し、ビーズに糸を通したり、突起に輪ゴムを掛け替えたりするなど、細かな作業を体験しました。また、消化管検査に使用する内視鏡スコープや腹腔鏡システムの操作体験なども行いました。

【体験した高校生のコメント】

ダヴィンチは患者さんの負担を軽減できるのがいいなと思います。将来は理学療法士になりたいと思っていますが、医療ではチームの連携が大切だと思うので、医師が扱う最新の医療機器に触れることができ、とてもいい体験になりました。

ダヴィンチの操作は難しかったですが、実際に体験してみて、医療技術の進歩を感じることができました。将来は医療に携わる仕事をしたいと思っているので、今日はとても貴重な体験ができました。将来に役立てたいです。