さばみ
みんなでつないだ君の未来が、彩りあるものでありますように

終わる場所から、“つなぐ”場所へ
ー人と動物の共存する社会の実現を目指してー

問い合わせ先|駅南庁舎生活安全課
 
電話
0857-30-8551 
FAX
0857-20-3962
さばみの 成長日記 
あしあと
さばみの写真1
保護した日
さばみの写真2

たくさん飲んでね
さばみの写真3
体重も増えたね

保健所は今、命をつなぐ場所に

 かつて、保健所では犬や猫の殺処分を行っていたため、保健所は今でも「命が終わる場所」であると思っている人が少なくはありません。
 平成24年に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、「引き取った犬猫の返還・譲渡の推進、殺処分率の更なる減少」を目指すことが定められました。鳥取市保健所では、殺処分は極力行わない方針としており、可能な限りの治療と、愛情をもったお世話により、新しい家族へつなぐ取り組みを行っています。命の終点であったこの場所は、出発点へと変わっています。

殺処分率と譲渡率の推移

殺処分率と譲渡率の推移グラフ
出典:鳥取県の犬及び猫の動物愛護等に関するデータ(令和5年度)

譲渡やイベント情報を発信しています

 犬や猫との暮らしを楽しんでほしい 

田中先生

のすけ犬猫往診専門病院院長
(元:たなか動物病院院長)
田中 博二(たなか ひろじ)さん

 市内で動物病院を経営する傍ら、市が行っている地域猫の不妊去勢手術を指導したことをきっかけに、市と協力して、人と動物の共生に取り組んできました。頑張っている個人や団体に対して、役に立てたらという思いで今も活動しています。

病院で感じたこと

 動物病院には、捨てられていた猫を拾い、連れてこられる人がいます。命を助けたいという純粋な思いからの行動だとは分かっていますが、動物病院だからといって、全員に無償で協力することは難しく、その事実を伝えると怒って帰られることもあります。
 みなさんに考えてほしいのは、拾った後のことです。「拾ったから後はお願いします」ではなく、その先をどうするかまで考えてもらいたいです。
 ただ、そもそも捨てる人がいることが大問題です。捨てる理由の1つが多頭飼育崩壊です。不妊去勢手術をせずに、気づくと20、30匹と増えてしまって飼えなくなる。多頭飼育をされている猫で、幸せそうな子はあまり見ません。生まれてからどうしようではなく、生まれないようにすることを考えてほしいです。

今後に向けて

 今、ひとつ夢があるんですよ。鳥取市に動物愛護センターができれば、そこで今はボランティアたちが自費でやっている治療などをしてあげたい。犬猫を譲渡するだけではなく、犬が噛むなどの理由で捨てられないようにするためのしつけ教室や、動物に関する情報発信コーナーがある、動物愛護の拠点となる愛護センターを作っていけるといいですね。

 不幸な野良猫がいない社会へ 

小谷さんときなこちゃん

鳥取市譲渡ボランティア・トリマー
小谷 由香(こだに ゆか)さん
と柴犬 きなこちゃん

 3年ほど前から、賀露地区で「地域猫活動」に取り組んでいます。これまでに100匹以上の野良猫の不妊去勢手術に携わりました。現在は、保健所の犬を一時的に預かる活動にも取り組んでいます。

地域猫活動

 活動のきっかけは、10年前、数匹の野良猫に餌をやったこと。しかし、繁殖により一気に数が増えて、どうしたらよいか分からずとても辛かった。そんな時、TNRという言葉を知りました。当時は全て自費でかなりの負担でしたが、現在は市の補助金や事業を活用して、以前より負担は軽くなっています。
 活動の中で、「あなたが餌をやるから野良猫が増える」と心無い言葉を言われることがあります。しかし、地域猫活動は地区住民の同意のうえで、決められた場所で餌を与え、来た猫に不妊去勢手術を行うものです。猫のためであり、同時に人の生活環境のためでもあると伝わってほしいです。

今後に向けて

 餌やりをしている人には、「一緒に地域猫活動をしませんか」と声をかけたいです。行政には金銭面のサポートや、活動の周知をしてもらえたら、私自身も活動を続けやすいし、周りに声もかけやすいですね。しかし最終的には、野良猫が全てさくら猫になり、私のようなボランティアの必要がなくなるような社会になってほしいです。

TNRとは?

    • T(Trap:捕獲)
    • N(Neuter:手術)
    • R(Return:返す)

の一連の活動の略


地域猫活動とは?

TNRした野良猫を地域で適切に管理する活動


さくら猫とは?

不妊去勢手術済の証に、耳がV字形にカットされた猫

かけがえのない命をつなぐ保健所の取り組み

 保健所に収容される動物は、怪我や病気で道に倒れていた猫、
ぎょぎょ
母猫に見捨てられた子猫、やむを得ず飼い主が手放した犬などです。
 このような動物たちを未来の家族につなぐため、保健所では、子猫には3時間おきにミルクを与える、犬は毎日散歩に連れていく、ブラッシングをして名前で呼ぶなど、職員が一丸となり、毎日のふれあいを交えてお世話しています。最初は人間に怯えていた動物も、少しずつ心を開き、収容された時に比べると見違えるほどの希望に溢れた目で、新しい家族のもとへ巣立っていきます。

未来と出会う場所

犬の世話
 保健所では里親を探すため、定期的な譲渡会の開催や、ウェブサイトおよびSNSでの広報を積極的に行っています。
 譲渡に関しては、適正に飼うことができる環境が整っているかなどの審査や、トライアル期間などを設け、終生飼養できるかを判断しています。一日でも早く温かい未来につなぐことが保健所としての使命でもあります。

譲渡された子はいま 〜里親さんからの手紙〜

あんずちゃん

ぬいぐるみが大好きで、一緒に寝るかくわえるかのどちらかです。お散歩もしっぽふってルンルンしています。

M・Hさん
あんずちゃん1
 
あんずちゃん2

今、ペットを飼っているあなたへ

 

ペットのために守ってほしい7つのこと
終生飼養
命を終えるまで責任をもって飼う
所有表示
首輪、迷子札、マイクロチップをつける
逸走(脱走)防止
逃げたり迷子にならないようにする
繁殖制限
不妊去勢手術をする
迷惑防止
鳴き声、匂い、排泄物で迷惑をかけない
病気の知識と予防
正しい知識を持ち予防する
災害への備え
備蓄品の確認、同行避難できるようしつけする

 

どうしても飼えなくなったら、まずはご自身で譲渡先を探してください。遺棄は犯罪です。

 

 保健所では、やむを得ない場合に限り、動物の引き取りについて相談をお受けしています。飼い主都合の理由による引き取りは原則お断りしています。

これからペットを飼おうと考えているあなたへ

 

「かわいさ」に一目ぼれしないで。
一度、立ち止まって考えてみましょう。

 

1.ペットの寿命

    •  犬や猫の平均寿命は約15年。
    •  また、高齢犬猫は病気もあります。

2.ペットを飼う環境

    •  ペットが飼える居住環境ですか。家族全員が同意していて、健康状態も問題はないですか。

3.ペットを飼える経済的余裕

    •  毎日の餌はもちろん、不妊去勢手術やワクチン接種などの費用も必要です。

4.ペットを正しく飼う

    •  動物が生きていくために必要な欲求である「 LinkIcon 動物の5つの自由」について知りましょう。
9月20日〜26日は動物愛護週間
〜動物についての正しい知識を身につけよう〜