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国重要文化財「旧美歎水源地水道施設」にようこそ!

ページID:0006236 更新日:2025年10月20日更新 印刷ページ表示

国指定重要文化財「旧美歎水源地水道施設」の画像

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旧美歎水源地水道施設は2022年に復興100周年を迎えました!!

 旧美歎水源地水道施設(きゅうみたにすいげんちすいどうしせつ)は、鳥取市が1915年(大正4)に山陰地方で最初に建設(全国では29番目)した近代水道施設です。本施設ができるまで、鳥取市街地の人々の多くは、鳥取城の外堀である袋川の水を飲んでいました。しかし、当時の袋川の水質は衛生的に決して良い状態ではなく、疫病などの心配もありました。このため、1912年(明治45)に、当時の鳥取市議会は美歎地区に水源地をつくることを決定し、総工費51万円(当時の市の年間予算の5倍に相当)を投じることで、市民待望の安全安心な飲料水が供給されることになりました。
 明治時代、近代水道施設は外国人技師が設計することが主流であったなか、旧美歎水源地は日本人技師「三田善太郎」(みたぜんたろう)が全国に先駆けて設計した貴重な「純国産型施設」です。1913年(大正2)に起工し、2年の歳月をかけて水源地を完成させますが、1918年(大正7)9月に発生した台風によりダムが決壊し、濾過施設を含め下流部の集落が流されるという悲劇が起こります。鳥取市はこの災害を教訓に、貯水ダムを堅固なダムとするため、日本初のコンクリートダムである神戸市「布引ダム」の建設に従事した「佐野藤次郎」(さのとうじろう)の指導のもと、復旧から3年後の1922年(大正11)に給水を再開しました。このように、旧美歎水源地は山陰地方の未来を切り開くため、当時一流の技術者によって建造された施設です。その後、機能拡張に伴い1929年(昭和4)に濾過池を増設。1978年(昭和53)に休止するまでの60年間、鳥取市民の飲料水として用いられたほか、歩兵四〇連隊(陸軍)施設への供給や山陰本線を走る蒸気機関車に給水するなど、鳥取市はもとより山陰地方の発展に貢献しました。
 1992年(平成4)に水道施設としての機能が完全に廃止されましたが、その後も貯水ダムは砂防堰堤として現用されています。一般的に水道施設は同一施設内で機能拡張や施設更新を行いますが、鳥取市は豊かな水源に恵まれていたことから他の地域に施設を建設することで、給水人口の増加に対応してきました。そのため、旧美歎水源地は量水施設や濾過施設の外形が当時のままの姿で保存されており、日本の近代水道施設の全体像をよく残しています。以上のことから歴史的価値が認められ、2007年(平成19)6月18日に国の重要文化財に指定されました。2011年(平成23)より国及び鳥取県の補助を受けて文化財の保存修理と活用整備を実施し、2018年(平成30)に文化財施設として一般公開を開始しました。

▼もっと詳しく見る
【文化庁】国指定文化財等データベース「旧美歎水源地水道施設」で検索<外部リンク>
【保存会】管理団体「美歎水源地保存会」について<外部リンク>
【ダムProjection‐Mapping】旧美歎水源地復興100周年記念事業について
【Digital-Gallery】旧美歎水源地にようこそ!
(左)竣工当初の土堰堤(大正4年) (中央左)台風により堰堤が決壊(大正7年) (中央右)復旧した重力式堰堤(大正11年) (右)5号濾過池を増設(昭和4年)​の画像

【Youtubeで公開中】施設紹介動画(ダイジェスト版)

より詳しい本編動画(約10分)は、全国近代化遺産活用連絡協議会ホームページ<外部リンク>にて上映中!

旧美歎水源地水道施設の案内

【公開期間】 4月1日~11月30日(無休)
【公開時間】 9時00分~17時00分
【設備】 重要文化財建造物、ガイダンス展示施設、バイオトイレ(2基)、駐車場(大型バス駐車可)、自動販売機
 ※上記期間内は、管理スタッフ(美歎水源地保存会)が常駐しています。
 ※ガイド(有料)をご希望の方は、美歎水源地保存会(直通:090-1682-1842)までご連絡ください。
 ※12月1日~3月31日は展示施設の公開は行っていませんが、濾過池周辺や芝生広場の利用はできます。
 ※貯水池見学路は、11月1日~3月31日の間は猟場となるため閉鎖します。ご注意ください。

旧美歎水源地水道施設の案内の画像

(左)春(受付棟周辺) (中央左)夏(美歎ダム周辺) (中央右)秋(3号濾過池周辺) (右)冬(濾過施設周辺)​の画像

主な指定文化財の紹介

美歎川上流量水堰・通リ谷量水堰(みたにがわじょうりゅうりょうすいぜき・とおりだにりょうすいぜき)

 
美歎川上流量水堰・通リ谷量水堰の画像 旧美歎水源地の貯水池は、東側の「勝田ケ平」と北側の「通リ谷」という2つの谷からの流水を貯めるようにできています。「量水堰」は貯水池に流れ込む水の量を計測するためのもので、それぞれの谷に「小の堰」と「大の堰」が一組ずつ設置されています。水源地への水の取り入れ口としての機能を果たしていました。写真は美歎川上流量水堰の「大の堰」です。

貯水池堰堤(ちょすいちえんてい)

 
貯水池堰堤の画像 東西に長い貯水池の西端に位置する重力式コンクリート造の堰堤(ダム)で、堤長103メートル、堤高19.5メートル、水通し幅37.6メートルの規模を持ちます。日本初のコンクリートダム建設に従事した佐野藤次郎の設計で、堰堤上部から放水する「越流式」を採用しており、当時は「美歎の大瀑布」と呼ばれ名所として親しまれました。平成11年に堰堤の補強を行い、現在は砂防堰堤として活用されています。

一号~五号濾過池(いちごう~ごごうろかち)

 
一号~五号濾過池の画像 貯水池より導かれた水は、5つある濾過池それぞれに貯められ、「緩速濾過(かんそくろか)」という仕組みで浄化していました。濾過池には浄化した水の送水量を調整するための「制水井(せいすいせい)」と「バルブ」が設置されています。上屋はこれらを保護するためのもので、初期につくられた一号~四号は鉄骨鉄網モルタル造ですが、後に増設された五号は建築技術の進歩により鉄骨鉄網コンクリート造となっています。

接合井(せつごうせい)

 
接合井の画像 四号濾過池の西側にある「接合井」は、一号~五号濾過池より浄化された水を集め、下流へ送り出す施設です。上屋は直径3.1メートルの円筒形で、煉瓦(れんが)造モルタル仕上げの外壁に鉄骨鉄網モルタル造のドーム型屋根をのせています。制水井上屋と同様に凝った洋風意匠が施されていることから、単なる保護建物ではなく、近代水道施設を象徴するシンボルとしての役割があったといえます。

管理橋(上流側・下流側)※附指定(かんりきょう(じょうりゅうがわ・かりゅうがわ))

 
管理橋(上流側・下流側)の画像 旧美歎水源地水道施設には、2基の管理橋が架けられており、上流側を「岩ケ平人道橋(いわがひらじんどうきょう)」、下流側を「事務所前人道橋(じむしょまえじんどうきょう)」と呼んでいました。I型鋼による二連桁橋で、橋脚には水道管を転用して使っています。下流側の管理橋には送水管が併設されており、浄化した水を対岸にある量水器室に送っていました。写真は下流側の「事務所前人道橋」です。

量水器室(りょうすいきしつ)

 

量水器室の画像

旧美歎水源地水道施設の南端にある「量水器室」は、水源地が送り出す水の量を計るための施設で、屋内には当時使われていた「ベンチュリーメーター」が今も保存されています。煉瓦造の建物に見えますが外壁面に煉瓦タイルを張った鉄筋コンクリート造の建物です。量水器室を通過した水は「長田山配水池」へ送られ、そこから市内に配水されていました。

旧美歎水源地水道施設のしくみ

 旧美歎水源地水道施設は上流部の貯水施設、中流部の濾過施設、下流部の送水施設からなっています。濾過池では「緩速濾過」という方法で水を浄化していました。濾過された水は自然地形による高低差を利用して水圧をかけ、約7キロメートル先にある「長田山配水池」(鳥取市上町)に水を送っていました。

旧美歎水源地水道施設のしくみの画像

旧美歎水源地水道施設の保存活用整備事業

 2007年(平成19)6月に国の重要文化財に指定されて以降、鳥取市は旧美歎水源地の文化財保存修理と施設の活用整備を進めてきました。近代化遺産特有の鉄やコンクリートを使用した構造物を、文化財として本格的に修理し、施設整備まで実施した事例は全国的にも少なく、旧美歎水源地の保存活用整備はその先進事例として位置づけられています。

 活用整備では旧砂洗場を外観復元し、ガイダンス展示施設として活用するほか、貯水池を1周(約2キロメートル)する旧管理道を見学路として整備しました。豊かな水源を育むために植樹された水源涵養林と原生林が混交する見学路は、森林浴に最適です。やわからな日差しの中、見学路に点在する文化財を眺めながら、貯水池へと流れる川のせせらぎや鳥の鳴き声に耳を傾け、季節の花や木の香りを胸いっぱいに味わうことができます。動物図鑑や植物図鑑を持って散策するのも楽しみ方のひとつです。
 旧美歎水源地水道施設は、文化財を通して鳥取市の歴史を学ぶとともに、豊かな自然とふれあうことができる施設です。皆様のご来場をお待ちしています。

(左)芝生広場(1,000平方メートル) (中央左)濾過施設 (中央右)ガイダンス展示施設 (右)貯水池周遊路(2キロメートル)の画像
 経年劣化により施設全体の破損が進行していたことから、保存修理は一号~五号濾過池の制水井上屋、管理橋2基を中心に、接合井上屋、量水器室、門柱を部分修理にて実施し、施設全体を五号濾過池が完成した昭和初期の姿に整備しました。

 特に制水井上屋は、鉄骨が錆びて膨張し、壁面のモルタルにひび割れや剥離が生じており、一時は建物の現地保存も危ぶまれる状態でした。さまざまな修理方法を検討し、最終的には鉄筋コンクリート建造物の修理に用いられる「断面修復工法(リフリート工法)」に準じ、腐食した鉄骨については部分的に取替え、ひび割れにはセメントスラリーという液状の充填剤を注入し、新材への交換を最小限にとどめることで大正時代の建築当初の材料を保存することに成功しました。

(左)修理前の制水井上屋 (中央左)劣化により破損した壁面 (中央右)腐食欠損した鉄骨の取替え (右)セメントスラリー注文の画像
▼もっと詳しく見る
【整備基本計画】「重要文化財旧美歎水源地水道施設 保存整備基本計画(平成20年6月)」
【保存活用計画】「重要文化財旧美歎水源地水道施設 保存活用計画(平成26年3月)」
【保存活用計画】「重要文化財旧美歎水源地水道施設 保存活用計画-平成30年度改訂版-(平成31年3月)」
【保存修理動画】「旧美歎水源地水道施設 事務所前人道橋の曳家工事の様子」

「美歎ダム」ダムカードについて

 1922年(大正11)に竣工した「美歎ダム」が2022年(令和4)で100周年を迎えたことから、通常のダムカードに加えて、100周年記念ダムカードを発行する運びとなりました(発行枚数 1万枚:うち、記念台紙付きは2,000部)。受け取りは以下に記載の通常版のダムカードと同様です。竣工当時の美歎ダムの写真を配した100周年記念カードの表面には、水道施設にちなみ「水紋」をイメージしたホログラムをあしらっています。受け取りに関する事項は以下のとおりです。

「美歎ダム」ダムカードの画像1【100周年記念版】 「美歎ダム」ダムカードの画像2【通常版】

  • カードはダムへ来訪された方に限り、1人1枚お渡しします。
  • カードは郵送等による提供や配布場所以外での配布はしておりません。
  • 公開期間(4月~11月)は、現地にて配布しています。管理スタッフが施設に常駐していますので、作業中のスタッフをお尋ねください。
  • 閉鎖期間(12月~3月)は、旧美歎水源地近くにある「因幡万葉歴史館」受付(年末年始・休館日を除く)にて配布しています。因幡万葉歴史館が休館日の際は、鳥取市役所「文化財課」窓口(年末年始を除く)にておわたしします。どちらもダムに来訪したことがわかる写真(日付入・データでの提示可)をご提示ください。

※因幡万葉歴史館の【住所】、【休館日】について<外部リンク>
公開期間内であっても、施設管理作業や昼休憩(12時00分~13時00分)、風水害等でスタッフが不在となる場合があります。その場合は、閉鎖期間同様の配布対応とさせていただきますこと、予めご了承ください。

旧美歎水源地水道施設の地図

国指定重要文化財「旧美歎水源地水道施設」

関連リンク